2018/11/12 16:21
逃げるが勝ち!歌舞伎町の女社長が教える「最も賢いケンカの解決法」
新宿・歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗経営する、年商10億円の歌舞伎町の女社長。そんな私が野心の大切さを説く、この連載。第33回は「喧嘩が起こったときの解決法」がテーマです。
歌舞伎町は私の大好きな街ですが、“人種のるつぼ”と言われるだけあって、アフリカ系、中国系、韓国系とあらゆる人種がそろう街です。職業別に見ても、風俗関係者から暴力団関係者、ヤカラ系、それを取り締まる警察の方々と、それこそいろんな職種の方がいますので、いつも街のどこかでケンカが起こっています。
「歌舞伎町の文化」と言ってしまえばそれまでなのですが、私の店の中でもふとした拍子でお客様同士や黒服同士がとっくみ合いのケンカがはじまる場面によく遭遇します。
普段、そういう場面はあまりないかもしれませんが、今回は飲み会のときなど、知らない人にケンカをふっかけられたり、絡まれてしまったときの最善の解決策をご紹介したいと思います。
◆歌舞伎町の風景が変わった「浄化作戦」
私がお店を始めた2000年頃は歌舞伎町に中国系の人たちがのさばっていて道を歩いていても「ここは俺の領地だ!邪魔をするな」とケンカをふっかけてくる中国人がたくさんいました。
その後、2004年に当時の東京都知事石原慎太郎さんが「歌舞伎町浄化作戦」を実行し、それに伴って、風俗店や暴力団関係の飲食店、不法就労の外国人を雇っている店、外国人を使った違法な風俗サービスを行う店などが次々と消えていきました。
2007年頃になると「浄化作戦」は成功し、歌舞伎町は以前のように怖い街ではなくなりましたが、今度は地下に潜って悪いことをする人たちが増えてきました。
もうなくなってしまいましたが、うちの店の隣は「中国から女の子を連れてきて、お客様にアルコールを提供し、その後ホテルに行って性的なサービスを提供する」いわゆる「連れ出しOKのお店」でした。
◆店の女の子がビンタされても怒らない
ある日、うちの店の女の子がエレベーターの前で「連れ出しの店」のママからビンタされるという事件が起きました。
私も店のメンバーに対するメンツもあるので、その行為自体にとてもイライラしましたが、ここでケンカしても仕方がないので「ママごめんね」と言って、叩かれて泣いてる女の子と飛び出してきた黒服らを店に帰し、何事もなかったように振る舞いました。
あとで女の子に事情を聞くと、隣の店のお客様が酔っ払いすぎて倒れそうになっていたから支えたのだそうです。
それを見た隣のママが「こっちは体張って商売してるんだからお客様を横取りするようなマネはやめてくれ!」と言って、うちの女の子にビンタしたのだそうです。
女の子は全く悪いことをしてないのに不当に怒られたこと、顔を殴られたこと、そしてオーナーの私が中国のママと決着をつけて自分に謝らせてくれると思っていたのにそそくさと逃げたことに腹を立て、終始不服の顔をして怒っていました。
◆なぜ私は「隣の店のママ」を怒らなかったのか?
しかし私はこのとき、学習しました。
平静の状態だった場合は、両者の意見を聞き、「どういうところが悪かった」とお互いを認め合い落としどころを見つけて、お互い謝るなり、握手させるなりして和解する方法はいくらでもあります。
しかし、片方、または両方が殺気立っている場合には、その方法は使えません。話し合いをするそばからどちらかが感情的になってしまい、またケンカが勃発してエンドレスになってしまうからです。
そういう場合は「どちらかが逃げること」。または、仲介に入った人が「両者を引き離すこと」。これが最善の策だと確信しました。
◆激怒したお客様が台所から包丁を…
その後、店でまた事件が起きました。キャストの女の子のことで、店長と話をしていたお客様が揉めはじめたのです。
激怒したお客様は、店長の襟首を掴んだり、頭を叩いたりしました。すると、お客様が席からいなくなったので「トイレにでも行ったのかな」と思ったら、なんと、お客様は台所から包丁を持ってきたのです。
瞬時に「ヤバイ」と思った私は、勇敢な黒服とじゃんけんをしました。勝ったほうが「お客様から包丁をとりあげて外に連れ出す」。負けたほうは「店長がお客様を追いかけて行かないように監視する」と決めました。
私はじゃんけんに負けたので、店に残る側になりました。勇敢な黒服は、温和に包丁を取り上げ、「なにか温かいものでも食べましょう」と言ってお客様を外に連れ出すことに成功しました。
◆「絶対にここを開けないでください」
今度は私の番です。まず、店に鍵をかけ、力の強そうな黒服に事情を説明し、「他の黒服の誰かが外に出ようとしても、絶対にここを開けないでください」とお願いしました。
そして、お店の隅で所在なさげにしていた店長と話しました。店長はすぐさま私に哀願しました。
「どうしてお客様が怒ったのかわからないから理由を聞きに行きたい。お客様がいる場所に案内してください」
私は当然、その申し出を断りました。すると店長がお客様に電話をしようとするので、電話をされては元の木阿弥だと電話をさせないようにしていました。
今度は副店長が「店長が不当な理由でお客様に殴られたりするのを黙って見ているわけにいきません。そのお客様に謝らせにいきます」と言って、店のドア付近を固めている黒服にタックルを繰り返していました。黒服には熱い男が多いのです。
それから1時間くらいして、勇敢な黒服から連絡がありました。「お客様をタクシーに乗せて家まで送って、自分もそのまま家に帰ります」。
◆ケンカが起こったときは「両者を引き離す」
その頃になると、店長も副店長も落ち着いてきたので、私も家に帰ることができました。この事件以来、私はケンカが起こったときに「両者を引き離す」ことがいかに大切かをさらに思い知りました。
男の人は「自分が正しいことを力で証明したい」という本能が強いのだと思います。そして「バカにされたくない」「負けたまま終わりたくない」という気持ちが強い生き物なのだということも。
でも店内でケンカをされても、自分の力を証明しようとされても、メンツを保とうとされても、ほかのお客様に迷惑だし、店にとってもとても迷惑です。その後も何度もケンカや事件は起きていますが、うちは全て店内で解決し、警察いらずです。
ケンカが起こったときは「冷静なほうがその場から逃げる」。もしくは、気づいた時点ですぐ仲介する人が「両者を引き離す」に限ります。みなさんも試してみてくださいね。もちろんそもそもケンカが発生しないことが一番ですが!
※詳細は下記引用元サイトをご覧下さい。
関連URL:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181112-01524346-sspa-soci