2019/09/28 10:49
六本木・銀座は基地の街だった──売春、賭博、闇取引が横行した時代
<機密資料が公開され、敗戦直後の1年、すなわち「戦後ゼロ年」の闇に光が差すようになった。それは、米軍の将校とヤミ商人が結託し、好き放題に稼いでいた時代だった>
「戦後」と聞いて、高度成長期の繁栄、東京オリンピックや日本万国博覧会の熱狂などを思い浮かべる人は少なくないだろう。それは「廃墟から見事に復興を成し遂げ、世界有数の経済大国として平和と繁栄を実現した日本」というサクセスストーリーを浮かび上がらせるからだ。
しかし、2017年8月に放送されて話題を呼んだNHKスペシャルを出版化した『戦後ゼロ年 東京ブラックホール』(貴志謙介・著、NHK出版)においては、全く異なった「戦後」の側面に焦点が当てられている。
イメージの中にある華やかな戦後日本などではなく、敗戦直後の1年、すなわち「戦後ゼロ年」である。その時代は通常、高度成長期の“前座“として過去の遺物のように見なされているが、決してそうではないというのだ。
近年、戦後ゼロ年に関する機密資料が相次いで公開された。それによってこれまでは推測の域にとどまっていたことを含め、戦後ゼロ年の闇に光が差すようになったのである。
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